映画も公開されたし(?)で、再レビュー。
最初、メトロミニッツの2005年6月20日号の書評でこの本を知った。そこでリリーさんは、「渋谷のスクランブル交差点に立って、こんなにたくさんの人が、自分と同じ辛い思いをするんだと思うとすごいよね…」とインタビューに答えていた。
30歳を過ぎてから東京に呼び寄せての母親との同居、そして病気、死…。それだけで、どんな内容の本か解る。
解るからこそ読みたかった。
そのちょうど3ヶ月前の2005年の3月に、父親がスキルス胃がんと解ったから。手術しても、胃の後ろ側に広がっていたため切除不可能で、何もしなければ余命半年と言われた。
それまで、本当に考えもしなかった親の死というものが身近になって、常に恐怖となってつきまといだした。
だから、他の人が、とくに自分と近い状態の人が、どんな思いで、その時間を、それまでの時間を過ごしたのかが知りたかったんだと思う。
(ここから個人的な話)
私の父は去年の10月初めに亡くなった。闘病期間は1年7ヶ月。
父は胃がんであることは知っていたけれど、進行がんで余命宣告されていることまでは告知しなかった。だから、最後の10日間をのぞいては、治ることを前提に話をしていた。
8月の終わりに帰省した時は、まだまだ大丈夫かなと思っていたら、その2週間後には、かなり悪くなったと聞き、週末に帰省、病院に顔を見に行った時が、私的には一番きつかった。
もう顔も体型も2週間前の父とは違っていて、母はとっくに覚悟をしていて、私は「東京タワー」を泣きながら読み返した。
でも、父とは(かなり頑張って)笑って話して、「またね」と言って東京に戻った。それが最後の会話。
さらにその2週間後、痛み止めのため意識が混濁し始めて10日、私も病院に泊まるようになって4晩目の夜中。最後は、静かに、本当に静かに息が弱くなって、消えてなくなった。
離れて暮らすこと10数年。最期に立ち会えたのが、せめてもの親孝行。自己満足だけど。
そして、ドラマや映画や小説や漫画の死とは全然違った。
心電図の音は、病室内には聞こえないようにしてあったのと寝入りばなだったので余計。最初、実感がなく、看護士さんに聞いてしまったぐらい。その後、その看護士さんが父に向かって言った「よく頑張られたね」の一言で、現実味を帯びた。
同じ死なんて、もちろんないんだと思う。
でも、近い経験はみんなする。
だからこそ、これからは優しい人間になりたいと思う。心から。
実際、リリーさんをテレビで見ていても、なんだかすごーく受け入れる幅があるように見えるのは、やっぱりそういう体験と想いがあったからなのかなとも思う。
もっとも、前のリリーさんは、そんなに知らないんだけど。
2007年04月14日
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映画『東京タワー オカンとボクと、時々オトン』
Excerpt: ちょっと前に前売り券を買って、満足していました、っていうか、忘れそうでした。うっかり見逃すといけないので、空いた時間を利用して観てきましたよ、東京タワー!あ、もちろん映画ね。東京タワーの実物はしょっち...
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Tracked: 2007-05-15 23:58
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